さつまいも掘りを楽しむ保育園児

 

 

「知っていますか?
実は袖師保育園は、今年(2025年度)から給食の生ごみを捨てていないんです。」

 

 

おいしい給食の裏側で、いま袖師保育園が取り組んでいる、未来へつなぐ「いのちの循環」をご紹介します。

 

 

 

【愛情たっぷりの自園給食】

袖師保育園の給食は、すべて園内の給食室で作られています。
調理員が毎日愛情を込めて作る給食は、子どもたちにとって元気の源となっています。調理員と子どもたちの距離も近く、園内で会えば「今日の給食なに?」「おいしかったよ!」と自然に声が飛び交う、温かい関係が築かれています。
また、調理員と保育士は常に連携を取り、アレルギー対応はもちろん、子どもたちの発育に合わせた工夫を重ねています。

※毎日の給食はInstagramでも公開中ですので、ぜひご覧ください! 

インスタグラムで紹介した給食

 

 

【「おいしい」の裏側にある社会課題】

そんな愛情たっぷりの給食ですが、調理の過程ではどうしても野菜の皮などの「生ごみ」が出てしまいます。

静岡市の最新の調査によると、家庭から出る燃えるごみのうち、約37.0%が「生ごみ(厨芥類)」であることが分かっています。また、この生ごみを処理するには多くのエネルギーや費用がかかっております。

 

では、具体的にどれくらいの量になるのでしょうか。静岡市の統計を基に計算してみると、一般的な4人家族の家庭からは、年間で約450kgもの生ごみが出ていることになります。

 

これを袖師保育園に当てはめてみましょう。当園では毎日約90人近くの給食を作っています。
給食は1日1食ですが、それでも人数が多いため、年間で約2,600kg(2.6トン)もの生ごみが出る計算になります。
これらを単に焼却処分することは、環境にとっても、社会的なコストの面でも大きな課題です。

 

 

 

【2025年度から「生ごみゼロ」へ】

「このまま捨ててしまうのはもったいない」
そこで袖師保育園では、2025年度から給食から出る生ごみを外部に「ごみ」として出さない「生ごみゼロ」の運営を開始しました。
袖師保育園では、園が管理をする「子どもの畑」を舞台に、生ごみを肥料として活用する循環システムの実践を始めています。

生ごみと森の粉を混ぜてたい肥を作っているところ
こどもの畑のたい肥を作っている場所の様子

 

そのカギとなるのが、次にお話しする「森の粉(竹パウダー)」

毎日出る生ごみを、この「森の粉(竹パウダー)」と混ぜ合わせることで、臭いを抑え、良質な堆肥へと生まれ変わらせようとしています。

 

 

 

【全国的な課題を、地域の力で解決する】

「森の粉(竹パウダー)」の原料は、子どもの畑に隣接する東光寺・観音山の「竹」です。

この竹を粉砕機で粉にしています!

粉砕機で竹を粉にしているところ。
手前には竹の粉が山になっています

今、全国的に管理が行き届かなくなった「放置竹林」が深刻な問題になっています。成長が非常に早い竹は、手入れをしないと里山を侵食し、他の植物が育たなくなったり、根が浅いために土砂災害のリスクを高めたりする原因となります。

下の写真は観音山の放置竹林…

観音山の放置竹林。竹が生え放題になっています。


観音山でも増えすぎてしまった竹を、檀信徒の方々や地域のボランティアの皆さんが竹を伐採し除夜の鐘の際の「竹灯り」に活用するだけでなく、これらの竹や樹木を粉砕し「森の粉」を作ってくださっています。

 ※竹灯りについてはこちらをご覧ください。

厄介者だった竹が、地域の皆さんの手によって、「資源・宝物」へと生まれ変わったのです。

 

 

 

【ふかふかの土と、小さな手での収穫】

現在、生ごみとパウダーを混ぜて堆肥を作っている最中ですが、それに先駆けて、「森の粉(竹パウダー)」を土に混ぜ込んだ畑でサツマイモの栽培を行いました。
すると、畑に嬉しい変化が起きました。

これまでの畑は土が固く、非力な2歳以下の「未満児」の子どもたちでは、自分でお芋を引っ張り出すことができませんでした。先生が手伝ってもなかなか抜けず、苦労することもしばしばでした。

さつまいも掘りを楽しむ1歳のこどもたち

 
しかし今回、森の粉(竹パウダー)を混ぜたことで、土がふかふかに生まれ変わりました。そのおかげで、小さな子どもたちの力でもしっかりとサツマイモを収穫することができたのです。
 

「とれたー!」と満面の笑みで自分のお芋を見せてくれる子どもたち。全園児でおやつとして美味しくいただき、お腹も心も満たされました。

 

 

調理で出た野菜の皮や芯が、地域の方の協力で土に還り、また新しい野菜を育てる——。

 
袖師保育園が目指す「生ごみ0」は、ごみの減量化による環境貢献だけではありません。給食室、地域の方々、そして畑を通じて「人と人のつながり」、「いのちの循環」を肌で感じ、感謝の心を育む大切な活動となっています。

園長 横山友宏

 

 

 


<参考資料:生ごみ排出量の試算について>
本記事内の数値は、静岡市が公表している「令和6年度 静岡市清掃事業概要」等のデータを基に、当園で試算した概算値です。

1. 4人家族の年間生ごみ排出量:約454kg

  • 市民1人1日あたりのごみ排出量:841g(※1)
  • 家庭系可燃ごみに占める生ごみ(厨芥類)の割合:37.0%(※2)
  • 計算式(3食分):
    841g × 37.0% = 約311g(1人が1日に出す生ごみの総量)
    311g × 4人 × 365日 = 454,060g(約454kg)

2. 保育園(90人規模)の年間生ごみ排出想定:約2,612kg

  • 給食は1日1食のため、1人の1日あたりの排出量を1/3として計算
  • 計算式(昼食のみ):
    (311g ÷ 3食)× 90人 × 280日(保育園の年間開所日想定)
    2,612,400g(約2,612kg)

※1:令和5年度実績
※2:令和6年度 家庭系可燃ごみ(ステーションごみ)の組成調査結果

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